僕は理学部出身で、大学時代はほとんど学校に女の子がいない状態でした。勉強とバイトで忙しく、コンパやサークルどころではなく、もちろん彼女もいた経験がありませんでした。

 大学も4年生になると、就職活動が主になって、学校の時間も少なくなりました。僕は就職活動と、バイトとばかりの毎日で、学校はたまにゼミに顔を出す程度でした。

 僕のゼミは、男6人と女2人のゼミで、男グループと女グループは別々の課題に取り組んでいたため、あまり言葉を交わす機会もありませんでした。

そんなある日、バイトの先輩につれられて初めてのソープに行くことになりました。はじめてのHをソープでというのは、いかがなもんかと迷いはありましたが、興味と僕の下半身に申し訳ないとの思いで、思い切ってソープに行くことにしました。

先輩に連れられていったソープは、マニアックな場所にありましたが、先輩いわく、「かわいい娘がいっぱいいて、超おすすめ」らしいです。期待に胸を膨らませて、入り口の扉をくぐりました。

入り口を潜り抜けると、マジックミラー越しに何人かの女性が下着姿で雑誌を読んでいました。一人ずつ顔を見ていくと、4人目で目が止まりました。

どこかで見たことがある顔でした。厚化粧をしてるので良くわかりませんが、どこかで見たような気がしてなりませんでした。その時、僕の背中に衝撃が走りました。「ゼミで一緒の娘だ」

間違いなく、同じゼミのUさんでした、僕は興奮してUさんを指して、この子といって、指名しました。「おまえ早いな~、俺もその子お気に入りだったのに、ま、いいや、今日はおまえ初だから、譲ってやるよ」と先輩は言いましたが、僕の耳には入っていません。

僕は個室に案内され、Uさんの到着を待ちました。このときは、期待と緊張で、生まれて初めての感覚でした。いても立ってもいられない状況で、パニック状態です。相手がどういう行動に出るか、どう声を掛けようか、Uさんが僕にサービスしてくれるのか。いろいろ考えてると、Uさんに早く来てほしいけど、心の準備の時間がほしいという思いで、複雑でした。

そんな時間もほんの数分でした。トントンとノックの後に、まぎれもなくUさんが入ってきました。 Uさんはバスタオル一枚の格好でした。

Uさんは入ってくるなり、僕の顔も確認せずに、「はじめまして、現役女子大生のめぐみです。よろしくお願いします」といい、シャワーの蛇口をひねりました。シャワーのお湯加減を手で確認しながら僕の方を見ました。

「お客様は、はじめて・・・・」と言いかけた後、彼女の動きが止まりました。僕に気付いたようです。ぼくもなんとなく気まずかったのですが、「は、はじめてです。」と答えました。